コラム
Q.普段から足のうらはかさかさしている。夏になって、かゆくなりじくじくしてきたので、薬局にいって「みずむしのくすり」を買って塗ってみたが全然よくならない。近所の皮膚科に行ってみせたら、検査をされて「みずむしですよ」と言われた。「みずむし」に「みずむしの薬」をぬってもよくならない、これってなぜ?
A.「みずむし」は足にできる白癬菌というかび菌の一種による感染症の俗称です。症状として足がかさかさになったり、小さいみずぶくれができたりします。ひどくなると破れてじくじくになったり赤くなってかゆくなったりして、皮膚の炎症を伴ってきます。さらに傷からばい菌が入ると痛みを伴って腫れたり、足の付け根のリンパ腺が腫れたりする場合もあります。
薬局で「みずむしの薬」として売られているものは、主に「みずむし菌を殺す抗真菌剤」とよばれるものですので、皮膚の炎症や二次的なばい菌感染には効果がありません。
ひとくちに「みずむし」といっても、その時々の症状に応じた治療が必要になりますので、ひどくなる前に最寄りの皮膚科医療機関を受診されることをおすすめします。
2016-03-16 11:14:00
■かゆいぶつぶつ。これってじんましん? しっしん?
「じんましん」は、短期間にでたりひっこんだり、という特徴があります。例えば夜眠る前にでていた場所が、朝起きてみると、あとかたもなく消えていて、でも違う場所に新しいものが出ている、といったぐあいです。虫刺されやかぶれなどの「しっしん」は、ひと晩で、でたりひっこんだり、ということはありません。
■ じんましん。食事のせい? どこか内臓が悪い?
「食べ物にあたって出るじんましん」は有名ですが、実際全てのじんましんの中で占める割合は、そう多くありません。まず、その物を続けて食べなければ、自然に治っていくことが多いでしょうし、自分にとってじんましんの出そうな食べ物は、経験的に患者さんが知っているので、避けるようになるでしょう。「肝臓の調子が悪いと出る」というのも有名ですが、やはり全体の中の割合は多くはありません。
■ じんましん体質???
100人に2,3人の割合で「じんましんが出やすい皮膚の性質」を持っている人がいます。本人は自覚のない場合が多いようですが。例えば下着のゴムのあとや紙袋を腕にぶらさげていた時のひものあとが、赤くなったり、盛り上がったり、かゆくなったり、ひどい時はみみずばれになったりしたことはありませんか?思い当たる人は立派な「じんましん予備軍」です。また、この体質は遺伝します。お父さん、お母さん、またはご兄弟に、じんましんの出やすい方はいませんか?
■ じんましん発症因子
「じんましんが出やすい皮膚の性質」をもつ人に、睡眠不足、疲れすぎなどのストレスが加わると、勝手にでたりひっこんだりするじんましんが発症します。「いやな奴の顔を見るとじんましんがでる」なんていいますよね。
急激な温度差も発症をうながします。「寒冷じんましん」「温暖じんましん」などはこれにあたります。熱いお風呂であったまって、冷房のきいた部屋で裸で涼む、なんていうのは最悪です。「季節の変わり目に体調を崩しやすい」というのは、「かぜをひきやすい」という意味もあるのでしょうが、「1日のなかの温度差が大きい季節の変わり目には、じんましんもでやすくなる」という意味もあるのでは?
また飲酒も発症を助長します。4月や5月。会社で人事異動またはフレッシュマン。環境が大きく変わってさらに歓送迎会。要注意です。
■ 「しつこいじんましん」は治るのか?
病院に行って、「じんましんだから、お薬飲んでください。」飲んだら出るのは止まったが、勝手に止めたらまた出てきた!?病気は何でもそうですが、軽いものから重くてしつこいものまで、さまざまです。重い場合には、しばらく継続した治療が必要です。医師の指示のもとにじんましんをコントロールしましょう。じんましんがでないでいる時間をのばすことができれば、徐々にお薬を減らしていくことができます。あきらめずトライしましょう。
2016-03-15 11:13:00
Q1.帯状疱疹とは、何が原因で起きるどんな病気なんでしょうか?
子供の頃にかかった水疱瘡のウイルスは、治ったあとも、からだの中の神経に潜んでいてねむっています。
そのウイルスが何かのきっかけ、たとえば年をとったり病気などで抵抗力がおちてくると、目がさめておきあがり、暴れだして皮膚に水疱瘡とは違う症状をおこしてくる。これが帯状疱疹です。
Q2.では、水疱瘡にかかった人は、みんな帯状疱疹になるのでしょうか?
みんな帯状疱疹がおきるわけではありません。水疱瘡にかかった人は、体の中でそのウイルスが眠っている状態ですが、ふたたび目がさめて、帯状疱疹をおこすのは、10人に1人から2人くらいです。
Q3.なるほど。ではかかった場合にはどのような症状がでるのでしょうか?
帯状疱疹の「たいじょう」というのは「おびじょう」と書きます。
おびじょうに「ほうしん」つまり「みずぶくれ」ができるという意味です。
皮膚症状は特徴的でわかりやすく、からだの左右どちらか半分に、おびじょうに、あかみや水ぶくれができてきます。この分布のしかたは、ウイルスが暴れだす時とおる神経の走行と関連しています。
また、これに伴ってピリピリ、チクチクした痛みがあります。この痛みは、あかみや水ぶくれといった皮膚の症状が出る前から出現することが多く、痛みしかないこの時期では他の病気、たとえば腰痛や神経痛といったものと区別がつかないこともあります。
痛みもやはり、皮膚症状とおなじがわの、からだの左右どちらか一方におこりますが、必ずしも皮膚症状がある場所だけが痛むのではなく、同じ側の水ぶくれができている場所からすこし離れているところや、からだの右側にできているのに頭の右側が痛いといったこともあるのが特徴です。
また、お子さんや若い人の場合は、比較的痛みが軽いことが多く、痛みがなくてかゆい、もしくは痛くもかゆくもないこともあります。
Q4.ところで、この病気は人にうつりますか?
先ほどお話したとおり、帯状疱疹のウイルスと水疱瘡のウイルスは、同じものです。ということは、はじめてこのウイルスに感染する場合は「水疱瘡としてかかる」ということになります。
理論的には、帯状疱疹から帯状疱疹としてうつる、ということはなく、うつる場合には帯状疱疹から水疱瘡がうつる、ということになります。
まわりに、まだ水疱瘡にかかったことのない人、特にお子さんや妊婦さんがいる場合は、水ぶくれが治るまでの間、できるだけ近づかないようにしましょう。
Q5.この病気になる人は、年齢や性別によって違いがありますか?
お年寄りに多く、若い人には比較的少ないようです。
これは、病気の発症が抵抗力の弱い人に多い、といったことと関係があります。
性別はやや女性に多いようですが、なぜかはわかりません。
Q6.帯状疱疹にかかったら、どんな治療をするのでしょうか?
治療は症状にあわせて行います。症状は大きく二つに分けられます。
ひとつは、あかみや水ぶくれといった皮膚の症状で、これは普通2~3週間でかさぶたになって治っていきます。
もうひとつは、チクチクピリピリする神経痛です。神経痛は皮膚の症状が出る前から出現したり、さらには皮膚症状が治ったあとにも帯状疱疹後神経痛として長く残ることがあります。
治療の要点は、この帯状疱疹後神経痛を引き起こさせないことです。
そのために、なるべく初期にウイルスを殺す薬、抗ウイルス薬による治療を始める必要があります。ウイルスによって神経が破壊されてしまうと、神経痛を残しやすくなると言われているからです。
そのほか、痛みが強ければ、痛み止めの飲み薬や坐薬を使います。
また、ビタミンB12の内服は神経の再生に有効です。
皮膚の症状に対しては、水ぶくれがある時期には、二次的なばい菌感染を防ぐために抗生物質の塗り薬、ない時期には炎症止めの塗り薬などを使います。
また、皮膚症状が治ってきても痛みがある場合には安静を保つようにし、軽くあたためるようにすると痛みが和らぎます。
それでもなお神経痛が残る場合は麻酔薬による神経ブロック等が有効です。
Q7.一度治った後に再発することはありますか?
ふつうは、一度帯状疱疹にかかると再発しないとされています。
しかし、高齢や病気などで抵抗力が低下している人、免疫力の弱い人等には、まれに再発することがあります。
その確率は100人から200人にひとりと言われています。
Q8.それでは、この病気に対する予防法はあるのでしょうか?
水疱瘡にかかった人は、みんな体の中に帯状疱疹を惹き起こすウイルスを持っています。
そのウイルスは、人の抵抗力が落ちると目を醒まし、あばれだし、帯状疱疹を発症させます。
完全に帯状疱疹を予防することはできませんが、日頃から栄養・睡眠を十分にとる、ストレスをためないようにする、適度な運動を行う等、心と身体の健康に気を配って、体力や抵抗力を低下させないようにする事が重要です。
2016-03-14 11:12:52
アトピー性皮膚炎は、どんな病気かと一言で表現するのは難しいですが、体質が関連し「慢性に経過する治りにくい湿疹」ということが言えます。
しかしながら世間で言われているような難病ではなく“普通の治療”で充分にコントロールがつく例がほとんどです。
皮膚の清潔に気をつけることや自分の身の回りに何かアトピーを悪くする事(物)がないか、そういったこともあわせて注意していく必要があります。
ステロイド外用剤の副作用を必要以上に恐がったり、そのために民間療法に走ってしまったりして、アトピーをかえって悪化させてしまうこともあります。
当院では、アトピー性皮膚炎に関する正しい知識を持ってもらうことも治療と同様に重要なことと考えております。お気軽にご相談ください。
2016-03-13 11:12:00