■かゆいぶつぶつ。これってじんましん? しっしん?
「じんましん」は、短期間にでたりひっこんだり、という特徴があります。例えば夜眠る前にでていた場所が、朝起きてみると、あとかたもなく消えていて、でも違う場所に新しいものが出ている、といったぐあいです。虫刺されやかぶれなどの「しっしん」は、ひと晩で、でたりひっこんだり、ということはありません。
■ じんましん。食事のせい? どこか内臓が悪い?
「食べ物にあたって出るじんましん」は有名ですが、実際全てのじんましんの中で占める割合は、そう多くありません。まず、その物を続けて食べなければ、自然に治っていくことが多いでしょうし、自分にとってじんましんの出そうな食べ物は、経験的に患者さんが知っているので、避けるようになるでしょう。「肝臓の調子が悪いと出る」というのも有名ですが、やはり全体の中の割合は多くはありません。
■ じんましん体質???
100人に2,3人の割合で「じんましんが出やすい皮膚の性質」を持っている人がいます。本人は自覚のない場合が多いようですが。例えば下着のゴムのあとや紙袋を腕にぶらさげていた時のひものあとが、赤くなったり、盛り上がったり、かゆくなったり、ひどい時はみみずばれになったりしたことはありませんか?思い当たる人は立派な「じんましん予備軍」です。また、この体質は遺伝します。お父さん、お母さん、またはご兄弟に、じんましんの出やすい方はいませんか?
■ じんましん発症因子
「じんましんが出やすい皮膚の性質」をもつ人に、睡眠不足、疲れすぎなどのストレスが加わると、勝手にでたりひっこんだりするじんましんが発症します。「いやな奴の顔を見るとじんましんがでる」なんていいますよね。
急激な温度差も発症をうながします。「寒冷じんましん」「温暖じんましん」などはこれにあたります。熱いお風呂であったまって、冷房のきいた部屋で裸で涼む、なんていうのは最悪です。「季節の変わり目に体調を崩しやすい」というのは、「かぜをひきやすい」という意味もあるのでしょうが、「1日のなかの温度差が大きい季節の変わり目には、じんましんもでやすくなる」という意味もあるのでは?
また飲酒も発症を助長します。4月や5月。会社で人事異動またはフレッシュマン。環境が大きく変わってさらに歓送迎会。要注意です。
■ 「しつこいじんましん」は治るのか?
病院に行って、「じんましんだから、お薬飲んでください。」飲んだら出るのは止まったが、勝手に止めたらまた出てきた!?病気は何でもそうですが、軽いものから重くてしつこいものまで、さまざまです。重い場合には、しばらく継続した治療が必要です。医師の指示のもとにじんましんをコントロールしましょう。じんましんがでないでいる時間をのばすことができれば、徐々にお薬を減らしていくことができます。あきらめずトライしましょう。
2016-03-15 11:13:00
コラム